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― 赤ちゃんが生まれて幸せなはずなのに…涙が止まらない、そんなあなたへ ―
「おかしいのは私だけ?」そんなふうに感じていませんか
・赤ちゃんが泣いているだけで、涙があふれてくる
・理由もないのに気分が沈んで、何もできない
・「自分は母親に向いていない」と思ってしまう
・寝ても疲れが取れず、朝がつらい
・赤ちゃんのことを可愛いと思えない自分がつらい
こうした気持ちをひとりで抱えて、「私だけがおかしいのかも」と思っていませんか?
でもそれは、“こころのエネルギー”が減ってしまっているサインかもしれません。
それが「周産期うつ病(産後うつ)」です。周産期うつ病ってどんな病気?
周産期うつ病は、妊娠中から出産後1年以内に起こるうつ状態のことを指します。とくに出産後数週間から数か月以内に症状が出やすく、「産後うつ」として知られています。
【よくある症状】
・気分の落ち込み、涙もろさ
・不安や焦り、イライラが続く
・食欲の低下または過食
・不眠、または過剰な眠気
・「赤ちゃんを傷つけてしまうのでは」という怖さ
・何に対しても興味がわかない、無気力になるなぜ起こるの?
出産は、体にも心にも大きな変化が起こるライフイベントです。喜びの一方で、想像以上の負担がかかっています。
・ホルモンバランスの急激な変化(エストロゲン・プロゲステロンの急減)
・慣れない育児への戸惑い・睡眠不足
・周囲のサポート不足や社会的孤立
・「母親はこうあるべき」というプレッシャー
・妊娠中や出産のトラウマ的体験
これらが積み重なり、「がんばらなくちゃ」と思っているこころが、少しずつすり減っていくのです。どうすればいいの?
周産期うつ病は、早めに気づいて、適切なケアを受ければ回復が可能です。
「お母さんが笑えること」が、赤ちゃんにとってもいちばん大切です。
・薬物療法(授乳に配慮したお薬もあります)
・カウンセリングや心理的サポート
・パートナーや家族の協力(家事・育児の分担、気持ちの理解)
・生活リズムの見直し:休める時にしっかり休む、「完璧を目指さない」ことが大切です
・育児支援や訪問サービスなどの行政のサポートを活用することも役立ちます当院での取り組み
当院では、妊娠中や産後にこころの不調を感じている方に、安心して話していただける環境を大切にしています。
・ご本人のペースに合わせたやさしいカウンセリング
・授乳中の方にも配慮した、お薬や漢方のご提案
・栄養や睡眠、リラクゼーションなど、お薬に頼りすぎない治療法もご案内しています
・必要に応じて、ご家族へのサポートや育児ストレスの共有にも力を入れています
「こんな気持ちを相談してもいいのかな?」――
そう思ったときこそ、ぜひ声をかけてください。
赤ちゃんのためにも、まずお母さん自身が安心できる場所であることが、何より大切なのです。