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― 「検査では異常なし」…でもつらい。その症状、“こころ”が関係しているかもしれません ―
身体表現性障害(身体症状症)
「お腹の痛みや頭痛が続いているのに、病院では“異常なし”と言われた」
「検査をしてもどこも悪くない。でも、つらさは確かにある」――
こんなふうに感じたことはありませんか?
それは、身体表現性障害(現在の診断名は“身体症状症”)という状態かもしれません。身体表現性障害(身体症状症)とは?
身体表現性障害は、はっきりした病気が見つからないにもかかわらず、体のあちこちに痛みや不調を感じ続ける状態のことを指します。
以前は「心身症」や「神経症」と呼ばれていたこともあり、現在では「身体症状症」として分類されています。
心のストレスや不安、緊張などが、体の症状として表れることが多く、心と体のつながりを理解しながら向き合っていく必要があります。よくみられる症状
・慢性的な頭痛や腹痛、吐き気
・背中や関節の痛み
・胸がドキドキする、息苦しい
・体がだるくて動けない
・検査で異常はないのに、不調が続く
こうした症状は、実際に「体のつらさ」として現れるため、本人にとってはとてもリアルで苦しいものです。決して「気のせい」や「思い込み」ではありません。なぜこうした症状が出るの?
ストレスや過労、不安などが続くと、体も緊張したままの状態になります。
すると、自律神経のバランスが乱れたり、痛みに敏感になったりして、体の不調として感じられることがあります。
また、「何かの病気では…?」という不安が大きくなると、ますます症状が強くなってしまうこともあります。当院でのサポート
当院では、身体表現性障害の方に対して、以下のようなアプローチを大切にしています。
・ていねいなお話をうかがい、身体の状態を一緒に整理
・栄養状態や睡眠のチェック、必要に応じた血液検査など
・呼吸法や筋弛緩法などのリラクゼーション
・カウンセリングを通じてストレスや感情との向き合い方をサポート
・必要な場合は、漢方やお薬の併用もご提案可能です
「気持ちのせいにしない」こと、「つらさを正面から受け止める」ことを大切にしながら、心と体を一緒にケアしていきます。一人で悩まなくて大丈夫です
「こんなに苦しいのに、どこに相談していいかわからない」
「病院に行っても“異常なし”と言われてしまう」
そんなお気持ちを抱えている方にこそ、知っていただきたい病気です。
体のつらさは、こころからのメッセージであることもあります。
どうかご自身を責めずに、まずは安心してご相談くださいね。