― お腹がいつも気になる…ストレスと腸の関係を見直してみませんか？ ―

・出かける前に何度もトイレに行ってしまう
・通勤や通学中にお腹が痛くなって困る
・下痢と便秘をくり返している
・病院で検査しても「異常はありません」と言われる
・ストレスや緊張で症状がひどくなる
これらは、「過敏性腸症候群（IBS）」と呼ばれる状態かもしれません。
「気のせい」「体質だから」と見過ごされがちですが、こころと腸が深く関係する病気なのです。

IBSは、腸に病気や炎症などの異常がないにもかかわらず、腹痛や便通異常（下痢・便秘）が繰り返される慢性的な病気です。
【主な症状のタイプ】
・下痢型：突然の強い腹痛と下痢。特に朝や緊張時に起こりやすい
・便秘型：お腹が張るのに出にくい。出てもすっきりしない
・混合型：下痢と便秘を交互にくり返す
・分類不能型：パターンが定まらず日によって症状が違う
不安や緊張が強いときに悪化しやすく、「また症状が出るのでは」と不安になること自体がストレスになり、悪循環に陥ることもあります。

IBSの原因は1つではなく、いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。
・ストレスや不安による自律神経の乱れ
・脳と腸の連携異常（「脳腸相関」と呼ばれます）
・腸の知覚過敏（通常よりも腸の動きやガスに敏感）
・腸内環境の乱れ（腸内細菌のバランスの崩れ）
・食生活の影響（油っこいもの、冷たいもの、食べすぎなど）
「心の状態」が「腸の働き」に大きく影響することから、こころと体の両方に目を向けたケアが必要になります。

IBSは命に関わる病気ではありませんが、日常生活の質（QOL）を大きく左右します。
治療や生活の見直しで、多くの方が改善を実感されています。
・薬物療法：腸の動きを整える薬、便秘薬・下痢止め、抗不安薬など
・生活習慣の調整：規則正しい食事、睡眠、軽い運動
・食事の工夫：脂っこいものや刺激物を避け、腸にやさしい食材を選ぶ
・ストレスマネジメント：呼吸法、リラクゼーション、カウンセリングなど
「腸は第二の脳」といわれるように、ストレスケアが腸の健康にもつながります。

当院では、IBSでお悩みの方に対して、お腹とこころの両面からのアプローチを行っています。
・丁寧な問診と必要な検査で、症状のタイプや原因傾向を一緒に整理します
・薬物療法だけでなく、栄養指導・漢方薬・腸内環境を整えるサポートも実施
・ご希望に応じて、ストレス緩和のためのカウンセリングや呼吸法指導も行っています
・「いつもお腹が気になる」「学校や仕事に行けない」といった方への生活支援もご提案可能です
「体に異常はない」と言われても、つらさは本物です。
どうかご自身を責めず、安心して相談できる場所があることを思い出してくださいね。