―「がんばりたいのに、心と体がついてこない」そんなときに ―

ー 環境の変化に、こころが追いつかない」ー
適応障害（てきおうしょうがい）は、仕事や学校、家庭などの環境の変化やストレスが原因で、こころや体に不調があらわれる病気です。
誰にでも「慣れないこと」や「つらい出来事」は起こりますが、適応障害では、そのストレスが強く感じられ、日常生活に支障が出るほど気持ちがつらくなってしまいます。
「最近つらいけど、甘えなのかな…」と思っている方も、実はこの適応障害にあてはまる場合があります。

適応障害の症状は人によってさまざまですが、次のようなものが見られます。
・気分が落ち込む、不安になる
・涙が出やすくなる
・イライラしやすくなる、怒りっぽくなる
・眠れない、食欲がない
・仕事や学校に行けなくなる
・頭痛や腹痛など、体の不調が続く
ストレスの原因がはっきりしているのが特徴で、環境が変わったあと1〜3か月以内に症状が出ることが多いです。

適応障害は、環境や出来事にうまく対応しきれなかったときに起こる反応です。
・仕事や人間関係のストレス
・学校でのいじめや進学・転校
・結婚や出産、引っ越しなどの生活の変化
・家族の死や離婚などの喪失体験
決して「心が弱いから」ではありません。どんな人でも、大きな変化やストレスが重なると心のバランスを崩すことがあります。

適応障害は、早めに気づいて適切な対応をすることで、回復が期待できる病気です。
・カウンセリング（心理療法）：気持ちを整理し、ストレスとの付き合い方や考え方を見直すお手伝いをします。
・お薬によるサポート：不安や不眠が強い場合には、症状をやわらげるお薬を使うこともあります。
・環境の調整：ストレスの原因から一時的に離れることも選択肢のひとつです。
「心を強くする」ことよりも、「無理をしない環境を整える」ことが大切です。

当院では、お薬による治療だけでなく、カウンセリングや栄養療法、リラクゼーション（呼吸法・筋弛緩法）も取り入れ、こころと体の両面からやさしく支援しています。
「職場に行くのが怖い」「学校に行くと涙が出る」
そんな時は、どうか無理をせず、ご相談ください。あなたに合ったペースで、少しずつ元気を取り戻せるよう、一緒にサポートしてまいります。