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― 子どものころのつらい体験が、大人になった今も心をしばっていることがあります ―
生きづらさをずっと感じていませんか?
・なぜかいつも人の顔色をうかがってしまう
・イライラや不安が強く、自分をうまく保てない
・人との距離感がわからない、すぐに傷ついてしまう
・「自分には価値がない」と感じてしまう
・ずっと疲れていて、感情がコントロールできない
こうした気持ちや行動の背景に、子どもの頃のつらい体験が影響していることがあります。
それは、発達性トラウマ障害と呼ばれる心の状態かもしれません。発達性トラウマ障害ってどんなもの?
発達性トラウマ障害は、幼少期に繰り返し経験した心の傷(トラウマ)が、心身の発達に大きな影響を与えた状態です。
明確な「虐待」だけではなく、見捨てられた経験、安心できる大人がいなかった、強い不安の中で育ったといった環境でも起こりえます。
【よくある影響】
・安心感がなく、常に不安や緊張を感じる
・感情が激しく変化しやすい
・自分に自信が持てず、自己否定が強い
・人との関係が極端に近くなったり遠くなったりする
・身体の痛みや不調として現れることもある(頭痛、腹痛、過敏性腸症候群など)なぜ「発達性」なの?
子どもにとって、心の安全基地となる大人の存在はとても大切です。
しかし、安心できない環境の中で育つと、「世界は危険」「人は信じられない」といった感覚が身についてしまい、心の土台が不安定なまま大人になってしまうことがあります。
それが、大人になってからの人間関係や自分への評価、ストレスへの反応に大きく影響します。どうすれば回復できるの?
発達性トラウマ障害は、安心できる関係性の中で、ゆっくりと心を育て直していくことが回復の道です。
・カウンセリング:トラウマに焦点を当てすぎず、「いまここ」の気持ちに寄り添いながら関係性を築いていきます
・感情調整のスキルを身につける:自分の感情を「感じていい」と思えるように少しずつ練習していきます
・薬物療法:必要に応じて、不安や不眠をやわらげるお薬を併用することもあります
・身体的アプローチ:呼吸法などで、体から緊張をゆるめていくことも効果的です
焦らず、「安心できる経験を重ねていくこと」そのものが、回復のプロセスです。当院での取り組み
当院では、「なぜかずっと生きづらい」「自分がわからない」といった深いお悩みに対して、患者さまのペースに寄り添った丁寧な関わりを大切にしています。
・初回から無理に過去を語らせることはせず、「今、どんな気持ちでここに来てくださったか」を一緒に考えていきます。
・必要に応じて、カウンセリング・薬・栄養・リラクゼーションなどを組み合わせた治療をご提案します
・安心できる人間関係を感じてもらえるよう、継続的に信頼関係を築く時間を重視しています
・過去よりも、「これからどうやって安心して過ごしていけるか」を一緒に見つけていきます
あなたの生きづらさには、ちゃんと理由があります。
そして、そのつらさは少しずつ和らげていくことができます。どうか、あきらめないでご相談ください。