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― 体にあらわれる“こころのサイン”―
転換性障害(機能性神経障害・FND)
ある日突然、手足が動かなくなったり、声が出なくなったり――
「脳や神経の検査では異常がないのに、体が思うように動かない」
そんな症状に戸惑い、不安を抱えている方やご家族はいらっしゃいませんか?
そのような状態は、転換性障害(最近では「機能性神経障害」とも呼ばれます)という心と体の病気かもしれません。転換性障害とは?
転換性障害は、ストレスや心理的な負担が、体の運動や感覚の症状として現れる状態です。
けいれん、まひ、歩行障害、声が出ない、視力の低下など、まるで神経の病気のような症状が起こるのに、検査をしても異常が見つからない――そんな特徴があります。
「機能性神経障害(Functional Neurological Disorder:FND)」という呼び方が近年では広まりつつあります。よくある症状
・急に手足が動かなくなる(まひ・脱力)
・けいれん発作のような動き(てんかんとは異なります)
・声が出なくなる、言葉がうまく話せない
・歩けなくなる、バランスが取れない
・視界がぼやける・見えにくくなる
こうした症状は「気のせい」ではありません。実際に体が反応している、心からの“助けて”のサインです。なぜ起こるの?
はっきりとした原因がわからないことも多いですが、強いストレスやトラウマ、感情の抑圧、長期間の緊張状態が背景にあることがよくあります。
心が抱えきれない苦しさを、体が代わりに“表現”していると考えられています。
本人にとっては無意識の反応であり、「演技」や「作っている」わけでは決してありません。当院でのサポート
当院では、転換性障害の方に対して、次のような支援を行っています。
・症状に対する丁寧なヒアリングと心身の状態の把握
・必要に応じて、他科との連携(神経内科・整形外科など)
・カウンセリングを通じたストレスや感情の整理
・呼吸法・リラクゼーション法による自律神経の安定
・必要な場合の薬物療法(不安や抑うつへの対処)
・西洋医学だけでなく、必要に応じて漢方の力も活かした治療
「まず安心できること」から少しずつ始めることを大切にしています。周囲の理解も大切です
転換性障害は、見た目ではわかりづらく、誤解されやすい病気です。
「サボっているのでは?」と見られてしまうこともあり、ご本人は苦しみを抱えながら孤立してしまうことも…。
でも、この病気は決して“甘え”や“仮病”ではありません。
症状は実際に起きており、つらさは本物です。
ご家族や周囲の方が「否定せず、受け止めてあげる」ことが、回復の第一歩につながります。ご相談から始めてみませんか?
「なぜこんなことが起きているのか分からない」
「病気なのかさえ不安で仕方がない」
そんな気持ちに寄り添いながら、回復の道を一緒に探していきます。
ご本人も、ご家族も、一人で悩まずにお気軽にご相談くださいね。