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―「食べること」が苦しくなっていませんか?―
摂食障害とは?
ー 食べることに悩みを抱えている方へ ー
摂食障害は、体型や体重に強いこだわりがあり、「食べること」や「食べないこと」で心や体のバランスがくずれてしまう病気です。特に思春期から若い女性に多く見られますが、性別や年齢を問わず誰にでも起こりうるものです。
「もっとやせなきゃ」「太るのが怖い」という思いが強くなりすぎて、自分を追い込んでしまう…。そんな時は、心のケアが必要なサインかもしれません。主なタイプと症状
摂食障害にはいくつかのタイプがありますが、よく見られるのは次の2つです。
- 神経性やせ症(拒食症)
・食事を極端に減らす
・体重が著しく減っても「太っている」と感じてしまう
・運動を過剰に行う
・月経が止まる、体力が落ちる
見た目が細くなっても、本人は「まだ太っている」と思い込んでいることがあります。 - 神経性過食症(過食症)
・短時間に大量の食べ物を食べてしまう(過食)
・そのあとで、吐いたり下剤を使ったりして体重をコントロールしようとする
・食べてしまった罪悪感が強く、自分を責めてしまう
食べる・吐くのくり返しで体にも心にも大きな負担がかかります。
なぜ起こるの?
摂食障害の背景には、こころの不安定さやストレス、自己肯定感の低さがあることが多いです。
・「もっと完璧でいなければ」というプレッシャー
・学校や家庭、人間関係でのストレス
・自分に自信が持てない、他人の評価を気にしすぎる
・SNSや周囲の体型への意識の影響
「やせたい」気持ちの裏には、「もっと自分を認められたい」「安心したい」という思いが隠れていることもあります。どうやって治すの?
摂食障害は、時間をかけて回復を目指す病気です。体のケアだけでなく、心の回復がとても大切です。
・栄養状態の安定:まずは安全な体の状態を取り戻すことが大切です。
・心理療法(カウンセリングなど):食べることへの考え方や、心の背景にあるストレスや不安に向き合っていきます。
・お薬のサポート:気分の落ち込みや不安が強い場合には、必要に応じて薬を使うこともあります。
・家族の理解と協力:一人で回復するのは難しいため、周囲のサポートが重要です。当院のサポートについて
当院では、心と体の両面から回復を支える治療を行っています。
カウンセリングや栄養療法に加えて、ストレスをやわらげる呼吸法・筋弛緩法などのリラクゼーションも取り入れています。患者さま一人ひとりのペースに合わせて、やさしく寄り添いながら支援してまいります。
「食べることが怖い」「食べても罪悪感が残る」
そんな思いがあるときは、どうかひとりで抱え込まずにご相談ください。
「心を整えること」から、少しずつ楽になれる道があります。 - 神経性やせ症(拒食症)