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― 自分では止められない動きや声が出てしまう ―
チック障害・トゥレット症候群とは
ー 体が勝手に動いたり、声が出たりすることがあります ー
チック障害とは、自分の意志とは関係なく、体がぴくっと動いたり、声が出てしまう症状が続く病気です。
その中でも、運動チック(体の動き)と音声チック(声や音)が1年以上続く状態を「トゥレット症候群(トゥレット障害)」と呼びます。
たとえば…
まばたきを何度もしてしまう
首をふる、顔をしかめる
咳払いをくり返す、鼻を鳴らす
急に叫んだり、意味のない言葉を口にしてしまう
…といった症状がみられます。ご本人は「やめたい」と思っていても、無意識に起きてしまうため、無理に止めることはできません。チックは子どもに多く見られます
チック症状は、4〜7歳ごろの子どもに多くみられる発達のひとつです。多くの場合は一時的で、成長とともに自然と治まっていきます。
しかし、症状が長引いたり、強くなって学校生活や人間関係に影響が出るような場合は、「チック障害」や「トゥレット症候群」として、医療的な支援が必要になることもあります。なぜチックが起きるの?
チックの原因は完全には解明されていませんが、次のような要因が関わっていると考えられています。
・脳の運動をコントロールする部分の働きの偏り
・遺伝的な体質
・ストレスや不安、緊張などの心理的要因
・注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)との関連も
「しつけ」や「性格」の問題ではありません。チックはがまんや努力で抑えられるものではないため、ご本人を責めないことが大切です。どんなサポートがあるの?
チック障害やトゥレット症候群に対しては、症状の重さや生活への影響に応じて、さまざまな支援が行われます。
・経過観察:多くの場合は成長とともに自然と軽くなるため、あたたかく見守ることが大切です。
・心理的サポート・行動療法:ストレスの軽減や、チックとうまく付き合う方法を身につけるサポートを行います。
・薬物療法:症状が強く、日常生活に支障が出る場合に、お薬で症状をやわらげることがあります。
周囲の理解と協力が、本人の安心感につながります。当院でのサポートについて
当院では、チック障害やトゥレット症候群に対する診療・心理カウンセリング・生活支援に加えて、栄養療法やリラクゼーション(呼吸法・筋弛緩法)なども取り入れています。
「子どものチックが気になって心配」
「叱ってはいけないとわかっていても、どう接すればよいかわからない」
そんなときは、どうぞ一度ご相談ください。
本人も、家族も、安心して向き合えるように、私たちがしっかりとサポートいたします。