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―「自分が自分じゃないような感覚」に悩んでいませんか?―
解離性障害とは
現実感がなくなる、記憶があいまいになる…
解離性障害(かいりせいしょうがい)は、強いストレスや心の傷(トラウマ)により、「意識・記憶・感覚」が一時的に切り離されてしまう心の病気です。
たとえば、「自分の感覚がぼやける」「記憶が飛ぶ」「自分を外から見ているような感覚」などが代表的です。
とても不思議な感覚に思えるかもしれませんが、心が耐えきれないほどのつらさから、自分を守るために起きる“こころの緊急避難”のようなものとも言えます。主な症状
解離性障害にはいくつかのタイプがあります。以下のような状態がみられることがあります。
・解離性健忘:特定の出来事や期間の記憶が抜け落ちている
・解離性遁走:突然どこかへ出かけてしまい、記憶があいまいなまま日常を離れる
・離人症/現実感喪失:自分が自分でないような感じ、現実がぼやけたように感じる
・解離性同一性障害(多重人格):複数の人格(別の自分)が交代で現れる
どの症状も、本人の意思ではコントロールできず、強い困りごとや混乱を伴うのが特徴です。なぜ起こるの?
解離性障害の背景には、心の深い傷や、耐えがたいストレス体験が関係していることが多くあります。
・幼少期の虐待やネグレクト
・性的被害や暴力的な体験
・災害、事故、いじめ、身近な人の喪失
・自分を責める性格や、強い責任感・完璧主義の傾向
つらい記憶や感情を直接感じることがあまりにも苦しいため、「感じないように」心が自動的に反応して起こるのが解離です。
決して「演技」や「怠け」ではなく、心の自己防衛の結果として起こる自然な反応です。どうやって治すの?
解離性障害は、心の回復を目指しながら、安心できる環境で少しずつ治療を進めていくことが大切です。
・カウンセリング・トラウマ療法:安全な関係の中で、つらい体験や気持ちに少しずつ向き合っていきます(EMDRや感情調整法などが効果的です)。
・薬物療法:不安や気分の落ち込み、睡眠の問題が強い場合は、お薬を使ってサポートします。
・生活の安定化:安心できるリズムある生活、ストレスとの付き合い方を整えることも重要です。
焦らず、「今の自分」を大切にしながら、心の回復を目指していきます。当院のサポートについて
当院では、解離性障害に対応した専門的なカウンセリングや心理療法、薬物療法に加えて、栄養療法や呼吸法・筋弛緩法など、心と体の安定を促すサポートを行っています。
「自分が自分じゃない気がする」「記憶があいまいで不安」
そんな思いを抱えている方は、どうか一人で悩まずご相談ください。
心の傷には、必ず回復の道があります。私たちはその一歩を、一緒に歩んでいきます。